8-発達と老化の理解

発達と老化の理解

問題8-1(30回問題69/発達と老化の理解)
生理的老化の学説に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 エラー破局説では、加齢によって臓器や器官が機能低下することで老化が生じると考える。
2 消耗説では、活性酸素による細胞の損傷で老化が生じると考える。
3 フリーラジカル説では、加齢による臓器や器官の萎縮や縮小に対して、それを補う再生機能が低下することで老化が生じると考える。
4 機能衰退説では、細胞内のDNAが損傷することで老化が生じると考える。
5 老化プログラム説では、人の細胞分裂の回数があらかじめ決まっていることで老化が生じると考える。

問題8-1解答を表示する

-1 エラー破局説は、紫外線や放射線などの外的原因や体内での代謝産物などの内的原因により細胞内のDNAが損傷し、正しいタンパク質の合成などができず、細胞の機能障害がもたらされ、それが老化につながるとする説である。
設問1で言っているのは機能衰退説である。

-2 消耗説は、組織や臓器レベルの老化を指しており、生体も筋肉や骨、内臓などの組織や器官などを繰り返し使用することで消耗していくとする説である。
生体では消耗と同時に消耗を補う再生が行われている。
しかし、長年繰り返し使用を続けることで、組織や臓器の補給再生より消耗が上回り老化が生じるとしている。
設問2で言っているのはフリーラジカル説である。

-3 フリーラジカル説は、遊離基説とも呼ばれ、フリーラジカルの過剰な生成によって細胞に損傷を与え、老化を引き起こすとする説である。
フリーラジカルは原子・分子の中できわめて不安定な部分を形成し、ほかの分子と容易に反応を起こす。
その代表に活性酸素がある。紫外線や放射線、食事に含まれる物質、生体内での代謝などの外的および内的原因により生じる。
設問3で言っているのは消耗説である。

-4 機能衰退説は、組織や臓器のレベルの機能低下が全体としての個体レベルの老化につながると考え、免疫系や内分泌系、神経系などを含むさまざまな臓器などの機能低下が基礎代謝率の低下など全身の機能低下、老化の原因であるとしている。
設問4で言っているのは設問はエラー破局説である。

〇5 最も適切である。老化プログラム説は、細胞がある一定数まで細胞分裂を繰り返すと、細胞の分裂を停止することから、細胞分裂の数は遺伝子によってあらかじめプログラムされており、このことが生体の老化、寿命に関係すると考えられている説である。

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