13-総合問題

総合問題

次の事例を読んで、答えなさい。

〔事 例〕

N市に住んでいるDさん(64歳、男性)は38歳の時にバイクで事故を起こして、第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷(cervical cord injury)となった。

上肢の筋力向上と可動域の確保のためにリハビリテーションを行ったが、手関節は拘縮して、スプーンを握ることはできなかった。

また、夏になると障害の特性から体調が悪くなることを自覚していた。

施設への入所も考えたが、家族と共に暮らすことを選んで、N市の居宅介護、重度訪問介護、地域生活支援事業の移動支援等の障害福祉のサービスを利用して生活していた。

最近、Dさんは元気がなく沈んだ様子である。

心配したE介護福祉職が、「最近、元気がないようですが、何か心配事でもあるのですか」とDさんに聞いた。

Dさんは、「65歳になると介護保険のサービスに移行して、障害福祉のサービスが利用できなくなるのではないか」、特に、「趣味の映画を映画館で見るための移動支援のサービスを利用できなくなるのではないか」と心配していた。

問題13-1(30回問題120/総合問題3)
Dさんの夏の体調悪化を予防する対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 冷房設備のある部屋で過ごすように勧める。
2 清潔な空気を入れるように、時々換気することを勧める。
3 気温が上昇したら、なるべくベッドで休息することを勧める。
4 日中仮眠をとることを勧める。
5 食べやすいものを食べることを勧める。

問題13-1解答を表示する

〇1 最も適切である。夏になると体調が悪くなるため、冷房整備のある部屋で過ごすことが適切である。

-2 換気はスプーンを握ることのできないDさんには自力では難しく、何度も人にお願いしなくてはならないので、冷房設備のある部屋で過ごす方がよい。

-3 頸椎損傷者は合併症として体温調整障害を伴いやすいため、気温上昇への対応としては、ベッドで休息することよりも冷房設備のある部屋で過ごすことの方が優先度が高い。

-4 事例には睡眠障害等に関する記述がないので、仮眠をとる必要性は高くないと考えられる。むしろ冷房設備のある部屋で過ごすことの方が優先度が高い。

-5 食べやすいものを食べることは、体調悪化の予防には結びつきにくい。

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