「親なきあと」の漠然とした不安
「親なきあと」の悩みといっても、具体的に何に悩んでいるのかと聞かれると、答えるのはむずかしいのではないでしょうか。
自分の親が高齢になったり、認知症になったときのことは、ある程度予測がしやすいかと思います。在宅がむずかしくなったら住むところはどうするか、また、どのような福祉サービスがあるのかなどは、イメージしやすいところがあります。しかも多くの場合、自分が親を最後まで見守ることができます。
ところが、わが子のことになると、自分たちがいなくなったあと、誰に、何を、どこまで頼めばいいのかわからない。自分が元気なうちに、どこまでの手配をしておけばいいのかが予測できないので、漠然とした不安になってくるのではないかと思います。
私自身も障害者の親なので、以前はそうした不安をかかえていました。でも頭の中で整理してみると、実はそれらの不安は3つの課題に集約できることに気が付きました。
3つに集約できる課題とは以下のとおりです。
①お金で困らないための準備をどうするか
②生活の場はどのように確保するか
③日常生活で困った時のフォローをどうするか
そして、それぞれの課題について、利用できる行政の福祉サービスがあり、民間の法人などが提供している商品があり、また地域の独自のとり組みがあることもわかってきました。
課題が具体的に整理できて、それに対応する方法がいろいろあること、そして新しい制度やサービスもできていることを知ることで、不安そのものは消えることはありませんが、自分たちがこれからやらなければいけないことが見えるようになったのです。
やみくもに不安を感じるのではなく、将来必要になってくることをしっかりと把握して、先を見据えた心の準備をしていきましょう。

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