医療モデルと社会モデルの違い
障害の定義をするときに、医療モデルと社会モデルという2つの考え方があります。
以前は、医療モデルという考え方が支配的でした。これは個人モデルとも呼ばれ、障害者の社会的な不利は個人の問題であるとして、これを克服するために医療やリハビリなどで周囲が援助してあげましょう、ということです。
この医療モデルだと、障害による生活のしにくさはあくまで個人がもっているもので、障害者自身ががんばって不利を乗り越えなければならず、障害者が健常者の基準に合わせなくてはいけないことになります。つまり、社会にある障害者が生きにくい仕組みは何も変える必要がないということです。
それに対して、現在は社会モデルという概念が一般的です。こちらは個人の属性だけで障害をとらえることはおかしい、障害は個人の中にあるものではなく、社会との関係性の中にあるものなので、社会の仕組みが不備だから障害者のハンディキャップを生み出している、という考え方です。
この立場では、社会のほうが変わらなくてはいけない、ということです。障害者の生きにくさを生じさせているのは、社会の側に整備されていない部分や、理解が足りないことがあるから。そういった状況の社会の中で不利な状態にあるのが「障害」であると。
この社会モデルは、別名「人権モデル」と称されるほど、人権と親和性の高い概念といわれています。障害者問題を人権の視点から考えるなら、不可欠のものとされています。
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