知的障害者の手帳について

療育手帳, 知的障害, 精神障害者保健福祉手帳, 身体障害者手帳

 施設の利用料金の補足給付を受ける、医療費の助成制度を受けるなど、手帳はさまざまな場面でその力を発揮してくれます。
 身体障害者には「身体障害者手帳」、精神障害者には「精神障害者保健福祉手帳」という全国統一の手帳があるのに対して、知的障害者の手帳は、自治体独自の制度になっているため、共通の名称がありません。
 一般的には「療育手帳」という名称が使われることが多いですが、以下の自治体は違う名称の手帳になっています。

東京都、横浜市…「愛の手帳」
埼玉県…「みどりの手帳」
青森県、名古屋市…「愛護手帳」

 等級の表記もそれぞれ違っています。たとえば川崎市と東京都はそれぞれ4つの等級に分かれていますが、川崎市の療育手帳はA1(最重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)となり、東京都の「愛の手帳」は、同様の障害程度に対して1~4という表記になります。等級の分け方も4つのところもあれば、東北、北陸、中国地方など2つに分けている府県も多くあります。
 さらに判定の方法についても、地域によって基準となるIQの設定が違う、IQが基準より上回っていても医師の診断結果によって交付する地域があるなど、まちまちです。
 たとえば東京都のIQの標準は、最重度が19以下、重度が20~34、中度が35~49、軽度が50~75となっています(実際の等級判定はほかの要素も含めて行われます)が、等級が2つの静岡県の場合は、重度は35以下または50以下かつ身体障害者手帳1、2、3級保持者、軽度は重度に準じおおむね70以下(他の障害により社会適応能力が低いと認められる場合はおおむね79以下)、80~89で発達障害の診断を受けた者、となっています。

Posted by disability-support-info