ユニバーサルデザインってこゆこと。点字で遊べるレゴ登場

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点字とブロックは好相性ですもんね。

数年前、デザイン事務所のLew’Lara/TBWAが、遊びながら点字のアルファベットを学べる「BRAILLE BRICKS」という、点字つきのレゴっぽいブロックを作ったことがありました。盲目や目が不自由な子供たちが、楽しんで学ぶことを応援する、賢いやり方ですね。

そして今度はレゴが公式に、点字の学習用に作られた一連のレゴ・セットを発表したのです。その名も「LEGO BRAILLE BRICKS(レゴ点字ブロック)」。

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デザイン会社のアイデアをレゴが採用
元祖「BRAILLE BRICKS」は、もともとLew’Lara/TBWAがブラジルの視覚障害者にお金を募る基金のために、300セット用意したもの。そして2017年、公式にレゴに提案し、それ以降レゴはデンマーク、UK、ブラジルにある視覚障害者団体と共にレゴブランドの公式版を制作してきた、というわけ。

ちなみに「BRAILLE BRICKS」はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと、今でも二次創作の権利を付与しており、誰でも作れます。

各国でテスト中
試作品の点字レゴのセットは、およそ250個のブロックがアルファベットや数字の0~9、そして数学記号を表しています。

現在は英語、デンマーク語、ノルウェー語、それとポルトガル語版で実地試験が行われているところ。2019年の後半には、フランス語、スペイン語、ドイツ語版も登場し、公式発売される2020年に向けてテストされることになっています。

とはいえ、「LEGO BRAILLE BRICKS」はその辺のおもちゃ屋さんでは買えません。これは視覚障害者たちを支援する機関じゃないと利用ができないようになっているのです。ですが、そうした機関なら無料で入手できます。

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メリットいろいろ
もし、あなたがかつて理科の授業で使った、小さなボールやバネを組み立てて分子構造を学ぶ教材が楽しかったことを憶えているなら、このレゴのアプローチがいかに子供たちにとって楽しくカンタンに点字を憶えさせてくれそうか理解できるでしょう。

また、一般的に点字は修正が利かないような、硬い素材に打つことになりますが、こうしたブロックなら凸凹のある土台の上でブロックを並び替えられるので、間違いを訂正しやすいというメリットもあったりします。

そう、これだとまったくもって従来のレゴブロックと同じように、点字の文字や数式を組み替えられるってことなのです。

次の課題は組み立てマニュアル
次のステップは、これからすべての視覚障害レゴ・ビルダーが、いかに正しい方法でこのセットを手にできるか? ということ。

そして玩具のブロックは触れば区別がつきますが、指で読む取扱説明書は平面の画像に頼ることになり、そこには大きなものを作ろうというお手本が掲載されています。

世間では、このセットをもっと手の届きやすいものにしようといういくつかの試みもあります。供給したい先はたとえば、盲学校の高校生たち。彼らはお手本と同じ物体を組み立てるため、次に必要なブロックがどういうものなのか、そしてどのブロックをどこにはめれば良いのか、ていねいに説明してくれる、特殊な表記方法の開発に尽力してくれました。ですが、この特殊な取説はまだ一握りのキットのぶんしかありません。

いつか、より多くの人達がレゴを楽しめるようになるといいですね。

Posted by disability-support-info