全米初、スターバックスが聴覚障害者向け店舗をオープン 首都ワシントン

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手話ができるスターバックス
米コーヒーチェーン大手スターバックスが首都ワシントンにオープンした「手話ストア」で、手話を使って会話をするギャローデット大学の学生レベッカ・ウィツォフスキーさん(右)と、手話通訳が専攻の学生ニコラス・カラペラッティさん(左、2018年10月23日撮影)。

【AFP=時事】米コーヒーチェーン大手スターバックスは23日、米国では同社初となる聴覚障害者向けの「手話ストア」を首都ワシントンにオープンした。店員の多くは聴覚障害があり、全員が手話で客とコミュニケーションできる。

「普通のスターバックスだと、分かってもらえるといいなと思いながら話しかけるか、携帯電話を使って注文したい商品を見せなくてはいけないんです」。この日、店を訪れたギャローデット大の学生レベッカ・ウィツォフスキーさんは言う。

「でも、ここでは注文したお客の名前が表示されます。注文したものができたと言うお店の人の声に耳をそば立てなくともいいので、これは本当に素敵」

新店舗は世界で唯一すべてのカリキュラムが聴覚障害者向けに作られているギャローデット大学の近くに立地。スターバックスが2016年にマレーシアのクアラルンプールに開いた店舗がモデルとなっている。

店内の様子は他のスターバックスの店と変わらない。しかし、会話の大半が手話で行われているせいか、大勢の人がいるにもかかわらず店内は驚くほど静かだ。

「この店は聴覚障害者がキャンパス外で集まって他の聴覚障害者と会って食事ができる場所です。耳の聞こえない店員さんとも会えます」とウィツォフスキーさんは顔をほころばせる。

店には他にも聴覚障害者向けの特別な仕掛けがある。「今週の手話」もその一つだ。

今週のそれは「コーヒー」。両手で握りこぶしを作り、両方とも親指のあるほうを上にして一方のこぶしの上にもう一方のこぶしを載せ、コーヒーのグラインダーを思わせる動きで回す。

また、耳の聞こえないアーティストがデザインしたマグカップや、スターバックスのロゴを手話でどう表現するか説明する資料も販売されている。

スターバックスは、さまざまなコミュニティーを結びつけるのがこの店舗の目的だと説明する。同社をめぐっては今年4月、ペンシルベニア州フィラデルフィアの店舗で、友人を待っていただけの黒人男性客2人が逮捕される事件があり、人種差別だとして厳しく批判する声が上がった。

店のオープニングには、聴覚障害があるアカデミー賞女優、マーリー・マトリンさんも姿を見せた。

店の外のテラス席でコーヒーを飲んでいた引退したアルバート・ヒボックさんとペギーさん夫妻は「耳の聞こえる世界と交流する」ために店を訪れたと説明。ペギーさんは「これは私たち全員にとって素晴らしい機会だと思います」と通訳を通じて語った。

ソース元/gooニュースより

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